ゴールを設定せずに人は走る事はできません。
サッカー選手は何も無い所を走るのとボールを追うのとでは走る速度が全く違うそうです。
ですから、私たちが何かに取り組む際には必ず目標設定をします。
ですが、ここで重要なのは目標設定の仕方。
目標は高くあるべきなのですが、現実的にあり得ない数値を目標に設定してはいけません。
これから独立起業をする方で「来年年収1億円を目指します」という方がたまにいますが、リアリティを持ってその目標達成が想像できないのであれば、100%達成できません。
それは、目標ではなく妄想です。
かといって、超現実的な固い目標を立てるのはどうでしょうか。
確かに、その目標を達成できる可能性は非常に高くなるのですが、これでは自分の限界突破をする事ができません。
私が自分自身にも、そして指導をする際にも心がけているのは、「実現可能生のある最大値」を目標として設定する事です。
どういうことかと言うと「達成に向けた全ての道筋が100%成し遂げられた」という時に手に入れられる数値になります。
ですから、自分の中では非常に難易度が高いながらも可能性としては0ではない目標なのです。
この目標は、他者から見ると馬鹿げているように見える上に、多くの場合未達に終わります。
ですが、これでいいのです。
自分自身では未達だったとしても、端から見たら素晴らしい結果を手にしている場合が殆どなのです。
ポイントは3つあります。1つ目は目標に向けて自分がやるべき事が明確に見えている点。
2つ目は、それが100%達成できたら手にできる数値を把握している点。
そして、3つ目は、その目標に向けて全力で取り組むという点です。こ
の3点を押さえていれば目標が達成されなくとも、周囲が認める結果を出す事ができます。
実際に私もそれを続けていました。
例として私の処女作である『クビでも年収1億円』のお話をさせていただきます。
今、出版業界は非常に不況であると言われています。かなりの売れっ子作家でなければまず7000部を刷って発売するのですが、多くの場合そこから増刷はかかりません。
また、過去のようにミリオンなどの大きなヒット作もなかなか出ず、特にビジネス書のジャンルでは3万部を超えると「そこそこに売れた」、5万部を超えると「これはヒットだ」と判断されるそうです。
このような状況で私がデビュー時に立てた目標は50万部。
芸能人でも何でも無い、世の中では完全に無名の私が立てた目標が50万部でした。
当たり前ですが、こんな目標など誰もできると思っていません。
しかし、私は私の立てたプランが全てうまく行けばこれが達成できると確信していましたし、この目標に向けて全力で取り組みました。
結果として、やはり周囲の考えていた通り50万部という目標には届きませんでした。
ですが、『クビでも年収1億円』は10万部を記録。
無名新人のビジネス書としては異例の売れ行きで、コミック版、図解実践編、文庫版の発売とシリーズ累計で15万部を超えており、今でも販売数が伸び続けています。
また、ありがたい事に2作目3作目と出版のオファーを頂き、5万部以上のヒットを続ける事ができました。
もし、私が処女作の発売時にかなり固めの目標である1万部という数字を掲げていたらどうなっていたでしょうか。
恐らく、2作目、3作目と出版をする事はなかったでしょう。
この例でもお分かりいただけたと思いますが、目標設定をどのように行うかは非常に重要なのですが、私の手法ではそもそも目標は殆どの場合達成できません。
目標が達成できないと落ち込んだりモチベーションが下がったりすると思いますが、この目標はそもそも達成できないのです。
ですから、いちいち落ち込むのではなく、実現可能性が確かにある目標値に全力で取り組む事が重要です。
何かに取り組む際にこの意識を持てば、必ず毎回周囲が驚く実績を積重ねる事ができるでしょう。