新刊に込めた想い

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小玉 歩

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「社畜」という言葉を調べるとWikipediaでは、このように出てきます。
社畜(しゃちく)とは、主に日本で、勤めている会社に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化したサラリーマンの状態を揶揄したものである。「会社+家畜」から来た造語で、「会社人間」や「企業戦士」などよりも、皮肉が強く込められている言葉である。

ここで一番注目していただきたいのは「自分の意志と良心を放棄し」という部分です。
よく考えてみてください。「放棄」とは強烈な響きですよね。

世のサラリーマンは自身の現状を肯定しながら生き続けています。
そして、周囲の人間関係含め、全ての環境がその肯定を強化します。
これは、どういうことかわかりますか?

そうです、「洗脳」です。

私も長らくサラリーマンとして務めてきましたが、サラリーマンに疑問を感じるまでには、かなり時間がかかりました。
それに気づく事が出来たのは、サラリーマン以外の世界を見た事がきっかけです。
自身のビジネスを通して他の世界を覗く事で、サラリーマン以外の常識がある事を知りました。

しかし、殆どのサラリーマンはサラリーマンとしての人生しか基本的にはありませんので、今の自分の世界が全てです。
そして、そこで常識とされている事だけが常識なのです。

よく自分の事を「社畜だ」という方がいますが、実はこういう方々は社畜化していないと思っています
。本当の社畜とは、自分が社畜であるという認識が全く無いままに、会社の奴隷と化した人生を送っている方々です。

彼らは、会社の洗脳や社会の洗脳が完了しているので、自身が社畜であることに一切気づきません。
それどころか、自身が洗脳されていることを真っ向から否定します。これは洗脳された人間の特徴でもあります。

ですから、本当の社畜は自分が社畜であることを決して認める事がないのです。


私が本書を通して、第一に行いたい事は「自身が社畜である」という事を気づかせることです。

そもそも、企業が利益を追求する時に社員を法律の範囲内で極限まで働かせる事は、資本主義社会の中では至極当然の事です。
これは、近年に限った話ではなく、資本主義社会が立ち上がってから延々と続いています。マルクスも「労働者は搾取され続ける」と言っています。
ということは、この世の中でサラリーマンとして働くという事は、ほぼほぼ社畜になるのに等しいという事なのです。

少し考えてみてください。世の中の85%はサラリーマンとして働いています。
その中で、会社の業務に強い想いを持って日々の仕事にバリバリ取り組んでいる、いわゆる「企業戦士」はどれ程いますか?

ほんの一握りの限られた社員だと思います。

私のサラリーマン時代を振り返っても、200人ほどいるフロアに3人いればいい方だったはずです。
それ以外の社員は、毎月25日に会社から振り込まれる「給料」という名の「餌」をもらうために、自分を失くして労働を続ける日々を送るのです。
これって、日本総社畜状態ではありませんか?

ですから、社畜が嫌だといって転職した所で、その先でも社畜となる毎日が待っているのです。
かといって、今すぐ独立起業しようとしても一朝一夕ではいかないのはお分かりだと思います。

そこで、私が提唱したのが『仮面社畜のススメ』です。

資本主義社会の中でサラリーマンとして働く以上、「社畜」から逃れる事は非常に困難です。
しかし、自分を失くして日々を送る事は人間的であるとは到底思えません。
だからこそ、今の時代で最も正しい答えが「仮面社畜」という生き方なのです。

もしかしたら、本書を読み進めていうちに項目によっては拒否反応が起こるほどに納得できない事もあるかもしれません。
しかし、この拒否反応が起こる瞬間こそが一番大事な瞬間です。なぜなら、その時が自分の常識外の常識に触れているからです。

全てが全て完全に納得するものは、結局自分の思考の範囲内の出来事ですので大きな変革はもたらしません。
自分のマインドに変革が現れるのは、自分の思考外の思考に触れた時。
ですから、納得いかないものにこそフォーカスして欲しいのです。その結果「拒絶」という選択をしてもかまわないと思います。
重要なのは、「そのような常識も存在している」という事を知る事なのです。

今、この文章をここまで読み進めているということは、あなたは少なからず今の働き方に満足していないのだと思います。
サラリーマンである以上、人生のほとんど働いていると言っても過言ではありません。
ということは、働き方を変えると人生も変わるのです。
そのために必要な事は、たった1つ。マインドを変えるだけです。
環境を変えるのではなく、あなた自身がマインドを変える事で働き方が変わり、ひいては人生が変わります。

本書では、そのためのマインドを紹介しています。
これを受け止めるか拒絶するかは、読んだ方の自由です。
ですが、わずかでも働き方に変化をもたらす事が出来たら、本書を世に出す意味があるのではないかと思います。

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