副業解禁の裏側

profile img

小玉 歩

投稿 更新
Category:
YouTubeログ

contents section

Share
この記事は約11分で読めます。
ここ数年で急に「副業解禁」って言われるようになってきたじゃないですか。

これって元々は、2017年に政府が出した働き方改革実行計画の中で「柔軟な働き方がしやすい環境整備」という項目があって、そこで「副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効である」と定義づけて、副業・兼業の推進を掲げたことがきっかけなんですね。

そして、2018年に「副業・兼業の推進に向けたガイドライン」や「改訂版モデル就業規則の策定」を発表して、副業解禁みたいな空気が出てきたわけです。

最初は、わりとイメージ的に先進的な会社が「副業OK」みたいなことを言っていたんですけれども、今では「アサヒビール」、「花王」、「カシオ」、「佐川急便」、「みずほフィナンシャルグループ」とか、いわゆる昔ながらの会社も副業を解禁し始めました。

ただ、中小企業はいまだに副業禁止にしているところが多くて、ちょっと前のデータなんですけど、2018年にリクルートキャリアが行った調査では、7割の会社が副業を禁止しているようです。

とはいえ、さきほど挙げたようなお堅いイメージの大企業が副業を解禁し始めたことで、世の中の風向きは、かなり変わりましたね。

個人的には、みずほフィナンシャルグループって銀行なわけで、超お堅いイメージじゃないですか。

だから、みずほが副業解禁を打ち出したっていうのは驚きましたね。

「副業がずっとやりたかったけど、会社が副業禁止だから始められなかった」という人にとっては、この副業解禁の流れは素晴らしいことじゃないですか。

会社側としても、副業を通して、新たな視点を持ったり、仕事に役立つスキルを身につけていってもらえれば、本業にも役立ちますからね。

こんな感じのことを各社それぞれの表現で打ち出しているわけです。

ただ一方で、古くからの経営者の観点で言えば「副業に気を取られないで、会社の仕事に集中してくれよ!」と思ってしまうのも、普通のことだと思うんですよ。

だって「副業が気になって気もそぞろ」みたいな感じで仕事されても嫌じゃないですか。

あとは、昔の僕みたいに、サラリーマンやりながら副業でガンガン稼いで、会社を辞められても困りますよね。

僕は別に大した社員じゃなかったからアレなんですけれども、要はめちゃくちゃ仕事できるエース社員みたいな人が、副業で稼げるようになって辞められたら困るわけじゃないですか。

だから、会社としては、実は副業解禁っていうのは、あまりおいしい話ではないと思ったりもするわけですね。

なのに、副業解禁が進んでいるっておかしいわけですよ。

そんなおかしい話なのに、なぜ、いろんな企業が副業解禁を次から次へと打ち出しているのか?
今回は、その副業解禁の裏側に迫ってみたいと思います。

まず1つ目に注目したいのが、トヨタの社長が2019年に発言した「ある言葉」。

「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」(2019年10月13日、日本自動車工業会の会長会見より)

これって「終身雇用とかもうきついわ!」「ずっと雇用していく約束なんかできませんよ」という話なわけですよね。

そう、「これからは終身雇用が当たり前ではなくなりますよ」ってことです。

でも、日本は雇用されている側が、めちゃくちゃ守られているんですね。

だから簡単に解雇することができないんですよ。

仕事ができない年取った人に高い給料は払えない・・・でもクビにもできない。

じゃあ、生活していくために副業をしてくださいよって話になってくるんですね。

まぁシビアですよ。

働き方改革で、ダラダラ残業で残業代を稼ぐ作戦も使えなくなったわけです。

あとは、景気が悪くなったり、会社の業績が悪化すると、普通に給料を上げることもできなかったりしますよね。

だからもう、「すまん! 足りない分のお金はどこかで稼いでくれないか」という流れになっていくしかないんです。

トヨタの社長が「終身雇用しても会社的に何のプラスもないんだけど・・・」って、ぶっちゃけちゃったわけですよ。

お荷物を抱えてたら、国際競争力落ちてしまうって話ですよね。

シビアだけど仕方のないことですよ。

これだけ影響力のある人が、こういった話をするって、もう終身雇用は過去の遺産みたいになっていくんでしょうね。

続いて、2つ目は「優秀な人材の確保」です。

特に若い世代、僕より下の世代は、僕らの世代に比べて「自己実現欲求」が高いんですよね。

この自己実現要求が高い人っていうのは、人生をコントロールしている感覚を持つことに重きを置いていて、ルールにがんじがらめになるのがめちゃくちゃ嫌いなんですよ。

そうなると、今みたいな副業解禁の流れで、副業を認めない会社は、若い優秀な人材にとっては魅力的ではない会社に感じられるわけですよね。

そもそも、法律的には副業って禁止されてないんですよ。

就業規則では「副業禁止」ってなっている会社はありますが、憲法でも労働関係の法律でも副業はもともと禁止されていないです。

就業時間外は何をしても自由なんですね。

だから、いまどき副業を禁止する会社というのは、考え方が古い会社ってレッテルを貼られてもおかしくないわけです。

つまり、世間のイメージ的にも副業解禁を掲げざるを得ない状況になったわけですよ。

Googleにしても、一流の先進的な会社って自由なイメージがするじゃないですか。

それを考えても、副業解禁してない会社は、魅力が減るというか、若い人はそんな堅い会社で働きたくないな~って思ってしまうんですね。

人材確保のための副業解禁。

世間の目を気にして解禁しているわけです。

最後の3つ目になるんですけれども、基本的にほぼ全ての会社で副業をやる時には、上司や人事に「こういう副業をやりますよ」って申請書を出して、それが承認されたら副業がOKされるって流れになっているんですね。

要は、副業の実態を管理下に置きたいっていうことなんですよ。

今の時代、どうせ隠れて副業をやる人って、たくさんいるじゃないですか。

隠れて副業やられて、どこで何やってるかわからないよりは、副業解禁にするけど、申請を前提にして、把握できるようにしておきたいって意図です。

でも、そうした副業をやっているみたいな状況も、会社の人事考課につながっていくんじゃないかと僕は考えているんです。

パフォーマンスが悪かった時に「お前、それ副業ばっかりやってるからじゃないか!」感じで言われたりとか。

たとえば、育児休暇を取ったら、戻った時に干されたみたいな話って聞くじゃないですか。

副業申請も「そんなことにもなりかねないかな」って思ったわけですよ。

悪い評価をつけるためのネタに使われる可能性があるよなと。

世の中って正しくできていると思ったら大間違いですよ。

なんか色々なルールありますが、それを運用するのは結局人間だし、そこの偉い人が都合のいいような感じになっちゃいますからね。

「正しさ」とか「平等」とか、そんなもんはないですから。
ただの幻想ですよ。
でも、そこでピーピーわめいても仕方ないので、大事なのは、僕らがいかにたくましく生きていけるかってこと。

上級国民ではない僕らは、どうやってこの世界を生きていくか、考えなければいけないわけです。

話を戻すと、副業が会社側の視点に立っても明らかにプラスになる副業だったらいいんですけど、そうじゃない自分の収入を増やすためだけの副業という場合は、申請するのも微妙だなぁ~と僕は思っちゃいます。

あらゆるところで、副業解禁が色々と言われるようになったんですけど、これを喜ばしいことに感じる一方で、マジで世の中がシビアになっていると感じますね。

結局は、自分の身は自分で守らなければいけない時代なんだと思いました。

なにはともあれ、強く生きていくしかないので頑張っていきましょう!

Category:
YouTubeログ

特別講義を無料で公開中

私らしく起業したい人のための「オンライン講師」養成講座という講義動画をお送りしてます。 この記事を気に入ったら、ぜひ動画を受け取ってください。
私らしく起業したい人のための「オンライン講師」養成講座という講義動画をお送りしてます。 この記事を気に入ったら、ぜひ動画を受け取ってください。

この記事を書いた人

writer

profile img

小玉 歩

ネットビジネス界の異端児。一部上場企業で勤めながらも、副業で始めたネットビジネスで年収1億円を稼ぎ会社をクビに。この経験を書籍化した『クビでも年収1億円』はシリーズ累計15万部を記録する。 現在はWEBマーケティング全般を手がける会社を経営し、ビジネスコミュニティの運営、コンテンツビジネス、通販事業を展開。「本当の稼ぐ力を身につけ、人生を良い方向へ変える」をモットーに、個人起業を支援する情報発信に力を入れている。

related post

関連記事

  • お金持ちが寝る前にやる5つのこと

    今日のテーマ「お金持ちが寝る前にやる5つのこと」をお伝えする前に、まず最初に「お金持ちの定義」をしたいと思います。 実際に「お金持ち」と言っても、色々なフェーズがあるわけじゃないですか。 資産が何百億円とかあって、特に何もしなくても余裕で生きていける人もいれば、お金が余りまくっているので配りまくってフォロワーを増やすお金持ちもいます。 以前、ルイ・ヴィトンのイベ

  • 2021年に稼ぐために今年中にやっておき

    時が経つのは本当に早いもので、今年ももうすぐ終わりですね~。 そこで来年の2021年、これまで以上に稼ぐために、今年中にこれだけはやっておいたほうがいい3つのことをお伝えしていきます。 稼ぐために非常に重要な情報なので、このまま読み進めていただければと思います。 1.Twitterでフォローしている人の整理 自分できちんと情報を精査できたり、今の自分にとって何が必要で何が不要かジャッジで

  • 食いっぱぐれない「稼げる副業スキル」5選

    人生100年時代において「食いっぱぐれない」って大事じゃないですか。 だから「お金を稼ぐこと」は大事ですが「稼ぎ続けること」はもっと大事なわけですよ。 一瞬稼いでも、その後は稼げませんってなったら生きていけないじゃないですか。 ということで、これさえあれば、稼ぎ続けることができて、食いっぱぐれることがないというスキルをお伝えするのが、今回のメインテーマとなります。 ちなみに、今からお伝えす

  • 【胸糞注意】お金持ちの闇が深い金儲けのレ

    今回のブログは「閲覧注意」です。 人によっては、めちゃくちゃ気分を害する内容となっておりますので、すぐに「キッー!」ってなっちゃう人は、ここで読むのやめることをオススメします。 多くの人が「お金持ちは、どうやってお金持ちになったか?」って興味ありますよね。 ビジネスで大事なのは「0→1」の部分ですが、実はここが語られていないことって意外と多いんですよ。 僕もサラリーマンだった頃は「どうやったら

  • これ儲かりませんかねぇ???

    ネット上の誹謗中傷って問題になっているじゃないですか? そこで私、小玉歩、めちゃくちゃ儲かりそうな誹謗中傷対策のサービスを考えついちゃたんですよ。 僕は、年商1億円ぐらいの事業であれば割とポンポン思いつくほうなんですが、おそらくこの事業は1億円以上のビッグビジネスへと成長を遂げると思ってます。 もちろん、これまで誹謗中傷対策のサービスはありましたし、今もたくさんあります。 ただ、これまでの

  • 【付き合ってはいけない】あなたを貧乏にす

    「あなたを貧乏にする〇〇の習慣」みたいなテーマって、 YouTubeやブログなんかに、たくさんアップされてるじゃないですか。 それこそ「ネガティブな人とは付き合ってはいけません」みたいな。 それらのYouTubeやブログって、何か大事なことを言ってるようで、結局は学びになるようなことを何にも言っていないものばっかりだったんですね。 実につまらない! そんなお利口さんの動画やブログばかりです