副業解禁の裏側

ここ数年で急に「副業解禁」って言われるようになってきたじゃないですか。

これって元々は、2017年に政府が出した働き方改革実行計画の中で「柔軟な働き方がしやすい環境整備」という項目があって、そこで「副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効である」と定義づけて、副業・兼業の推進を掲げたことがきっかけなんですね。

そして、2018年に「副業・兼業の推進に向けたガイドライン」や「改訂版モデル就業規則の策定」を発表して、副業解禁みたいな空気が出てきたわけです。


最初は、わりとイメージ的に先進的な会社が「副業OK」みたいなことを言っていたんですけれども、今では「アサヒビール」、「花王」、「カシオ」、「佐川急便」、「みずほフィナンシャルグループ」とか、いわゆる昔ながらの会社も副業を解禁し始めました。

ただ、中小企業はいまだに副業禁止にしているところが多くて、ちょっと前のデータなんですけど、2018年にリクルートキャリアが行った調査では、7割の会社が副業を禁止しているようです。


とはいえ、さきほど挙げたようなお堅いイメージの大企業が副業を解禁し始めたことで、世の中の風向きは、かなり変わりましたね。

個人的には、みずほフィナンシャルグループって銀行なわけで、超お堅いイメージじゃないですか。

だから、みずほが副業解禁を打ち出したっていうのは驚きましたね。


「副業がずっとやりたかったけど、会社が副業禁止だから始められなかった」という人にとっては、この副業解禁の流れは素晴らしいことじゃないですか。

会社側としても、副業を通して、新たな視点を持ったり、仕事に役立つスキルを身につけていってもらえれば、本業にも役立ちますからね。


こんな感じのことを各社それぞれの表現で打ち出しているわけです。

ただ一方で、古くからの経営者の観点で言えば「副業に気を取られないで、会社の仕事に集中してくれよ!」と思ってしまうのも、普通のことだと思うんですよ。

だって「副業が気になって気もそぞろ」みたいな感じで仕事されても嫌じゃないですか。


あとは、昔の僕みたいに、サラリーマンやりながら副業でガンガン稼いで、会社を辞められても困りますよね。

僕は別に大した社員じゃなかったからアレなんですけれども、要はめちゃくちゃ仕事できるエース社員みたいな人が、副業で稼げるようになって辞められたら困るわけじゃないですか。


だから、会社としては、実は副業解禁っていうのは、あまりおいしい話ではないと思ったりもするわけですね。

なのに、副業解禁が進んでいるっておかしいわけですよ。

そんなおかしい話なのに、なぜ、いろんな企業が副業解禁を次から次へと打ち出しているのか?

今回は、その副業解禁の裏側に迫ってみたいと思います。


まず1つ目に注目したいのが、トヨタの社長が2019年に発言した「ある言葉」。

「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」(2019年10月13日、日本自動車工業会の会長会見より)


これって「終身雇用とかもうきついわ!」「ずっと雇用していく約束なんかできませんよ」という話なわけですよね。

そう、「これからは終身雇用が当たり前ではなくなりますよ」ってことです。

でも、日本は雇用されている側が、めちゃくちゃ守られているんですね。

だから簡単に解雇することができないんですよ。


仕事ができない年取った人に高い給料は払えない・・・でもクビにもできない。

じゃあ、生活していくために副業をしてくださいよって話になってくるんですね。


まぁシビアですよ。

働き方改革で、ダラダラ残業で残業代を稼ぐ作戦も使えなくなったわけです。


あとは、景気が悪くなったり、会社の業績が悪化すると、普通に給料を上げることもできなかったりしますよね。

だからもう、「すまん! 足りない分のお金はどこかで稼いでくれないか」という流れになっていくしかないんです。

トヨタの社長が「終身雇用しても会社的に何のプラスもないんだけど・・・」って、ぶっちゃけちゃったわけですよ。

お荷物を抱えてたら、国際競争力落ちてしまうって話ですよね。

シビアだけど仕方のないことですよ。

これだけ影響力のある人が、こういった話をするって、もう終身雇用は過去の遺産みたいになっていくんでしょうね。


続いて、2つ目は「優秀な人材の確保」です。

特に若い世代、僕より下の世代は、僕らの世代に比べて「自己実現欲求」が高いんですよね。


この自己実現要求が高い人っていうのは、人生をコントロールしている感覚を持つことに重きを置いていて、ルールにがんじがらめになるのがめちゃくちゃ嫌いなんですよ。

そうなると、今みたいな副業解禁の流れで、副業を認めない会社は、若い優秀な人材にとっては魅力的ではない会社に感じられるわけですよね。


そもそも、法律的には副業って禁止されてないんですよ。

就業規則では「副業禁止」ってなっている会社はありますが、憲法でも労働関係の法律でも副業はもともと禁止されていないです。

就業時間外は何をしても自由なんですね。

だから、いまどき副業を禁止する会社というのは、考え方が古い会社ってレッテルを貼られてもおかしくないわけです。

つまり、世間のイメージ的にも副業解禁を掲げざるを得ない状況になったわけですよ。


Googleにしても、一流の先進的な会社って自由なイメージがするじゃないですか。

それを考えても、副業解禁してない会社は、魅力が減るというか、若い人はそんな堅い会社で働きたくないな~って思ってしまうんですね。

人材確保のための副業解禁。

世間の目を気にして解禁しているわけです。


最後の3つ目になるんですけれども、基本的にほぼ全ての会社で副業をやる時には、上司や人事に「こういう副業をやりますよ」って申請書を出して、それが承認されたら副業がOKされるって流れになっているんですね。

要は、副業の実態を管理下に置きたいっていうことなんですよ。


今の時代、どうせ隠れて副業をやる人って、たくさんいるじゃないですか。

隠れて副業やられて、どこで何やってるかわからないよりは、副業解禁にするけど、申請を前提にして、把握できるようにしておきたいって意図です。


でも、そうした副業をやっているみたいな状況も、会社の人事考課につながっていくんじゃないかと僕は考えているんです。

パフォーマンスが悪かった時に「お前、それ副業ばっかりやってるからじゃないか!」感じで言われたりとか。

たとえば、育児休暇を取ったら、戻った時に干されたみたいな話って聞くじゃないですか。

副業申請も「そんなことにもなりかねないかな」って思ったわけですよ。

悪い評価をつけるためのネタに使われる可能性があるよなと。


世の中って正しくできていると思ったら大間違いですよ。

なんか色々なルールありますが、それを運用するのは結局人間だし、そこの偉い人が都合のいいような感じになっちゃいますからね。

「正しさ」とか「平等」とか、そんなもんはないですから。

ただの幻想ですよ。



でも、そこでピーピーわめいても仕方ないので、大事なのは、僕らがいかにたくましく生きていけるかってこと。

上級国民ではない僕らは、どうやってこの世界を生きていくか、考えなければいけないわけです。


話を戻すと、副業が会社側の視点に立っても明らかにプラスになる副業だったらいいんですけど、そうじゃない自分の収入を増やすためだけの副業という場合は、申請するのも微妙だなぁ~と僕は思っちゃいます。

あらゆるところで、副業解禁が色々と言われるようになったんですけど、これを喜ばしいことに感じる一方で、マジで世の中がシビアになっていると感じますね。

結局は、自分の身は自分で守らなければいけない時代なんだと思いました。

なにはともあれ、強く生きていくしかないので頑張っていきましょう!



追伸

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名前:小玉歩
性別:男性

1981年生まれ、秋田県出身。

ネットビジネス界の異端児。一部上場企業で勤めながらも、副業で始めたネットビジネスで年収1億円を稼ぎ、会社をクビになってしまう。

この経験を書籍として出版した『クビでも年収1億円』(KADOKAWA)は処女作にして10万部という異例のヒット作となり、コミック版・実践編とシリーズ累計15万部を記録する。

その後も出版依頼が殺到し『3年で7億稼いだ僕がメールを返信しない理由』(幻冬社)、『仮面社畜のススメ』(徳間書店)、『あなたはまだ本気出してないだけ』(朝日新聞出版)と立て続けにヒット作を生み出す。

現在ではネットビジネス界にとどまらず、某日本No.1口コミサイトの運営から50店舗超の美容室グループの集客コンサルティング、メジャーアーティストのWEBプロデュースや某テレビ番組のDVD販促キャンペーンのプロデュースを手掛けるなど、多岐に渡る事業において事業を展開。

経営者・事業家・マーケター・プロデューサー・コンサルタント・講演家と、決して一つの枠組みで括る事の出来ない存在だが、何より説得力のあるアウトプットとどんな人をも惹き付ける人間力を兼ね揃えた「エンターテイナー」として、日々ビジネスシーンに多大な影響を及ぼしている。

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